I.C.誕生の歴史
約90年前、当時国際的に著名なイギリスのテニスジャーナリスト、ワーリス・マイヤース氏が、“テニスマンによる国際交流と、より一層のテニスの発展”を目的とした集いを提唱し、1924年11月26日 「イギリス国際ローンテニスクラブI.C.」が誕生しました。そして5年後の1929年、フランスが有名な“四銃士テニスプレーヤー”コシェ、ボロトラ、ラコスト、ブルニヨンの活躍を契機として、イギリスに次いで“フランス国際ローンテニスクラブI.C.”を創設致しました。
以後、第2次世界大戦前までにアメリカ、オランダ(1931年)、チェコリパブリック(1933年)、スウェーデン(1937年)が、それぞれ自国のテニスマンたちによりI.C.の名乗りを上げましたが、国際的な拡がりは1947年以後、テニスの本格的な充実が世界各国に及ぶに至って飛躍的に発展し、現在で36ヵ国が、それぞれのI.C.を設立しています。また、各国I.C.は定められたシール(ロゴ)を、各国それぞれに認められたストライプのネクタイを会員のシンボルとしております。
20番目の組織として日本I.C.も加盟
日本のI.C.は、早くからのその誕生を望まれながら、1978年、世界で20番目に誕生致しました。1921年には初出場でデ杯チャレンジラウンド進出という、熊谷一弥、清水善造両選手の快挙により、一躍世界テニスに名を連ねた日本は、その後、原田武一、太田芳郎、安部民雄、佐藤俵太郎各選手たちのヨーロッパにおけるデ杯戦、あるいは各国での活躍、そして佐藤次郎、布井良助、三木龍喜ら3選手のウィンブルドンにおける輝ける好成績、戦後のU.S.オープンにおける宮城淳、加茂公成両選手の複優勝や隈丸次郎、藤倉五郎、中野文照各選手らのデ杯戦での健闘により、又、上記選手の他、多くの代表選手たちが、それぞれ活躍した国々で、国際会員あるいは名誉会員に推薦されてきました。日本人として最初にイギリス、アメリカの名誉会員となった清水善造選手は、早くからこの国際的なテニスマンの組織を日本に紹介され、戦前、戦後において日本I.C.の設立が話題になったことがありました。以前から、英国をはじめ、各国と交流を深めていた川廷栄一氏は、日本I.C.創立に向けて、主要I.C.の支持を受け、国内で提案し、これを受けた太田芳郎イギリス名誉会員を中心として、当時各国からすでに国際会員に推挙されていた安部民雄、山岸二郎、中野文照、藤倉五郎、隈丸次郎、宮城淳、加茂公成、森清吉、渡辺康二、坂井利郎各氏らが設立世話人となって、永年念願とされていた“日本国際ローンテニスクラブ”-THE INTERNATIONAL LAWN TENNIS CLUB OF JAPAN(略称I.C. OF JAPAN)が誕生致しました。正式には、1978年7月、ウィンブルドン開催中に行われたI.C.評議会(1947年設立)において、16ヵ国I.C.の代表の満場一致の支持により、日本I.C.の加盟が認められました。1978年10月27日、国際グランプリ大会ジャパンオープンの期間中、歴代デ杯選手、全日本選手権一般単複チャンピオン、そして日本テニス界を代表する創立会員が、折から来日中の名選手フレッド・ペリー、デレック・ハードウィック前国際テニス連盟会長、ブライアン・ト-ビン オーストラリア協会会長、スタン・マーレス アメリカ協会会長、デビッド・グレイ国際テニス連盟事務局長、マイク・デイビスWCT代表ら国際テニス界のそうそうたるメンバーと、多数のジャパンオープン参加選手たちと共に一堂に会して、日本のテニス界で初の文字通り国際的な集いが開催され、ここに正式に日本I.C.のスタートが切られました。
日本I.C.設立のメンバーは88名
設立時の会員数は88人で、国際慣例に従って、フレッド・ペリー、デレック・ハードウィック、ブライアン・トービン、スタン・マーレスの4氏が、日本テニス界との友好、ならびに国際テニス界への貢献により、日本I.C.国際会員に推薦され、日本I.C.ネクタイが贈られました。1982年9月、日本I.C.は創立より初めて国際I.C.の交流の場にメンバーが参加しました。創立50周年を迎えたアメリカI.C.の国際親善テニス行事-I.C.WEEK IN U.S.A.に村上麗蔵、宮城淳、坂井利郎、吉井栄の各メンバーが日本代表チームとして、世界16ヵ国I.C.が参加するフロリダ州パームビーチ・ポロ・アンド・カントリークラブにて国別対抗試合に出場致しました。 従来、各国I.C.それぞれの国で国際対抗試合を定期的に開催していますが、日本 I.C.は1978年の発足以来、1990年に山中湖にてI.C. Week開催にとどまり、恒例行事となっているウィンブルドン歓迎晩餐会や、ロンドン・ハーリンガムクラブにおけるレセプション、全仏オープン期間中におけるレセプション、U.S.オープン期間中のアニュアルディナーに招待を受けながらも、組織的な参加をするまでにはいたっていませんでした。
2008年にそのような状況を打破しようと、設立30周年を機に、組織再編のプロセスが進められ、世界のI.C.会員として活動し、世界のテニス界に貢献するべく団体へと変わるべく試みがはじめられました。メンバーの再確認にはじまり、2008年英国ウィンブルドン開催前週の記念イベント(IC Week)に日本I.C.会員有志の参加、2009年秋のコロンブスカップ開催に向けて、明確な組織のもとに世界のテニスにI.C. OF JAPAN として参画し貢献の第一歩を踏み出しました。新生I.C. OF JAPAN発足と今後の発展に向けて皆様のご賛同とご協力を心からお願い申し上げます。
(2008年度IC Week参加時写真)